【重要】特定技能「外食業分野」の在留申請に大きな動き|現在の審査・許可状況を詳しく解説

外食業界で人手不足を支える重要な人材となっている「特定技能1号・外食業分野」について、現在、在留資格に関する申請・審査が通常とは異なる取り扱いとなっています。

出入国在留管理庁は、外食業分野における特定技能1号の受入れ見込数(受入れ上限)を踏まえ、在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更許可申請について、申請内容や受付日に応じた対応を行っています。

特に、海外から新たに外国人材を呼び寄せる場合と、すでに日本国内に在留している外国人材が特定技能1号へ変更する場合では、取り扱いが大きく異なります。

今回は、現在の審査状況について、企業の採用担当者が押さえておきたいポイントを詳しく解説します。


■ なぜ「外食業分野」の特定技能に制限が設けられたのか?

外食業分野では、特定技能1号の在留者数が増加し、受入れ見込数(受入れ上限)に達することが見込まれる状況となりました。

出入国在留管理庁は2026年3月、外食業分野における特定技能1号の在留者数が2026年2月末時点で約4万6千人となっており、同年5月頃には受入れ見込数である5万人を超えることが見込まれると公表しました。

このため、出入国管理及び難民認定法に基づき、2026年4月13日から、外食業分野における特定技能1号の在留資格認定証明書の一時的な交付停止措置が取られています。

つまり、今回の措置は「外食業で特定技能外国人を今後一切受け入れられなくなった」というものではなく、受入れ上限を踏まえて、申請の種類や受付時期に応じて審査・許可を行う運用となっています。


■ 現在の申請状況を整理

現在の外食業分野における主な申請については、以下のような取り扱いとなっています。

申請の種類 現在の取り扱い
① 在留資格認定証明書交付申請 在留資格変更許可申請を優先して処理
② 技能実習からの在留資格変更 受付日が2026年7月31日までの申請
③ 特定活動(特定技能1号移行準備)からの変更 受付日が2026年7月31日までの申請
④ 特定技能1号・外食業分野からの変更(外食業内転職) すべての申請が対象
⑤ 上記以外の在留資格からの変更 受付日が2026年4月12日までの申請
⑥ 在留期間更新許可申請 通常どおり順次審査

※以下では、それぞれについて詳しく解説します。


■ ① 在留資格認定証明書交付申請

まず、海外にいる外国人材を日本へ呼び寄せる場合などに利用される「在留資格認定証明書交付申請」です。

現在、この申請については、単純に「すべて交付停止」という状態ではなく、在留資格変更許可申請を優先して処理し、毎月の在留者数などを踏まえ、交付が可能となった場合に受付日順で順次交付するという取り扱いになっています。

現在は、

受付日が2026年1月5日までの申請

が交付対象として処理されています。

つまり、2026年1月5日までに受理された申請について、受入れ見込数の状況を踏まえながら順次処理されることになります。

一方で、2026年4月13日以降に受理された在留資格認定証明書交付申請については、原則として不交付とする措置が取られています。

海外からの新規採用を予定している企業は特に注意

このため、

「海外にいる外国人材を採用して、日本へ呼び寄せたい」

という外食企業にとっては、現在の制度下では採用スケジュールを慎重に検討する必要があります。

海外人材の採用では、

人材選定 → 内定・雇用契約 → 在留資格認定証明書交付申請 → 交付 → 査証申請 → 入国 → 就労開始

という流れになるため、在留資格認定証明書の交付時期が採用計画に大きく影響します。


■ ② 技能実習から特定技能1号への在留資格変更

現在、技能実習から特定技能1号・外食業分野への在留資格変更については、一定の条件のもとで通常どおり審査・許可されています。

今回の取り扱いでは、

「技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)」からの変更申請

について、

受付日が2026年7月31日までの申請

が対象となっています。

技能実習を修了し、特定技能1号・外食業分野への移行を予定している人材については、この区分に該当するかどうかを確認することが重要です。

なお、技能実習生については、実習計画が修了した後は原則として実習を継続して稼働することができません。

そのため、特定技能への変更を予定している場合には、在留期限や実習修了日だけでなく、在留資格変更許可申請を行うタイミングまで含めて、早めに準備することが重要です。


■ ③ 「特定活動(特定技能1号移行準備)」からの変更

外食業分野に係る、

「特定活動(特定技能1号移行準備)」

から特定技能1号・外食業分野へ変更する申請についても、一定の範囲で通常どおり審査されています。

現在の対象は、

受付日が2026年7月31日までの申請

です。

すでに日本国内に在留しており、特定技能1号への移行を予定している外国人材については、現在の在留資格と申請受付日を確認することが非常に重要になります。


■ ④ すでに特定技能1号・外食業分野で働いている外国人の「転職」

今回の措置の中で、外食企業にとって特に重要なのがこの部分です。

現在すでに、

特定技能1号・外食業分野

の在留資格を持って日本国内で働いている外国人が、外食業分野内で転職する場合については、

受付日による制限はなく、すべての申請が対象

となっています。

つまり、

「現在、外食業の特定技能外国人を新しく海外から呼び寄せる」

場合と、

「すでに日本国内で外食業の特定技能外国人として働いている人材を採用する」

場合では、現在の制度上の取り扱いが大きく異なります。

これは、人手不足に悩む外食企業にとって非常に重要なポイントです。

国内で就労している特定技能1号・外食業分野の人材については、外食業分野内での転職に伴う在留資格変更許可申請が通常どおり審査されます。

そのため、今後の採用戦略としては、

「海外からの新規採用」だけに頼るのではなく、「国内在住の特定技能外国人材の採用」という選択肢も重要になる

と考えられます。


■ ⑤ その他の在留資格から特定技能1号への変更

一方、上記の

  • 技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)
  • 特定活動(特定技能1号移行準備)
  • 特定技能1号・外食業分野からの転職

に該当しない、その他の在留資格から特定技能1号・外食業分野へ変更する場合には、さらに注意が必要です。

現在の対象は、

受付日が2026年4月12日までの申請

となっています。

そして、特に重要なのが、

2026年4月13日以降に受理された申請は、原則として不許可

となる点です。

2026年4月13日は、外食業分野における在留資格認定証明書の一時的な交付停止措置が開始された日です。

そのため、例えば、

「現在、日本に別の在留資格で滞在している外国人を、これから特定技能1号・外食業分野へ変更したい」

というケースでは、申請受付日によって取り扱いが大きく異なります。

採用予定の外国人材については、現在の在留資格だけでなく、いつ在留資格変更許可申請が受理されたのかまで確認することが重要です。


■ ⑥ 在留期間更新許可申請は通常どおり

今回の措置によって、すでに特定技能1号・外食業分野で働いている外国人の在留期間更新まで一律に停止されているわけではありません。

在留期間更新許可申請については、通常どおり、審査が終了次第順次許可される取り扱いとなっています。

これは、現在外国人材を雇用している企業にとって非常に重要なポイントです。

現在働いている特定技能外国人については、在留期限を確認し、通常どおり更新手続きを進める必要があります。


■ 外食企業が特に注意したい「採用パターン別」の違い

今回の制度を企業側から見ると、以下のように整理できます。

【ケース①】海外在住者を新しく採用する

在留資格認定証明書交付申請の状況に注意

現在は在留資格変更許可申請が優先され、毎月の在留者数を踏まえて、交付可能な場合に受付日順で順次交付されています。

そのため、海外からの新規採用については、採用から入国・就労開始までの期間を十分に考慮する必要があります。


【ケース②】技能実習から特定技能へ移行する人材を採用する

受付日が2026年7月31日までの申請が対象

対象となる在留資格変更許可申請については、受入れ見込数を踏まえ、通常どおり審査が終了次第許可されています。


【ケース③】特定活動(特定技能1号移行準備)から移行する人材を採用する

受付日が2026年7月31日までの申請が対象

こちらも一定の条件のもと、通常どおり審査・許可の対象となっています。


【ケース④】現在、特定技能1号・外食業で働いている人材を採用する

すべての申請が対象

外食業分野内での転職については、受付日による制限なく、通常どおり審査されています。

現在の外食企業にとって、今後の採用戦略を考えるうえで特に重要なルートの一つです。


【ケース⑤】その他の在留資格の外国人を特定技能へ変更する

2026年4月12日までの受付分が対象

2026年4月13日以降に受理された申請については、原則不許可となります。


■ 「特定技能外国人を採用できない」ということではない

今回の措置を見て、

「外食業では特定技能外国人を採用できなくなった」

と受け取ってしまうケースがあります。

しかし、これは正確ではありません。

今回の措置では、申請の種類によって取り扱いが異なります。

特に、

・すでに特定技能1号・外食業分野で働いている外国人の転職

・一定の技能実習からの移行

・一定の特定活動からの移行

・在留期間の更新

については、現在も審査・許可が行われています。

したがって、今後は「特定技能外国人を採用するかどうか」だけではなく、

「どのルートから、どのタイミングで採用するのか」

という視点が、より重要になってきます。


■ 外食企業に求められる「採用ルートの複線化」

外食業界では、慢性的な人手不足が続いています。

その中で、特定技能外国人材は、店舗運営を支える重要な人材となっています。

しかし今回のように、受入れ見込数によって在留資格の審査・許可の取り扱いが変わることを考えると、

「人手が足りなくなってから採用を始める」

という方法では、必要な時期に人材を確保できない可能性があります。

今後は、

  • 海外からの採用
  • 国内在住外国人材の採用
  • 特定技能外国人の転職採用
  • 技能実習から特定技能への移行
  • 特定活動から特定技能への移行
  • 育成就労制度を見据えた中長期的な人材確保

など、複数の採用ルートを組み合わせた人材戦略を検討することが重要です。


■ 採用担当者が今すぐ確認しておきたいポイント

今回の制度変更を受け、外食企業では以下の項目を確認しておくことをおすすめします。

CHECK 1

現在採用を予定している外国人材は、日本国内にいるのか、海外にいるのか?

CHECK 2

現在の在留資格は何か?

CHECK 3

特定技能1号・外食業分野への変更申請は、どの区分に該当するのか?

CHECK 4

申請の受付日はいつなのか?

CHECK 5

現在の在留期限・技能実習の修了日などに問題はないか?

CHECK 6

海外採用だけに依存せず、国内在住の特定技能外国人材も採用候補として検討できるか?

これらを事前に整理しておくことで、採用スケジュールの見通しを立てやすくなります。


■ 外食企業にとって「採用のタイミング」がこれまで以上に重要に

今回の外食業分野における特定技能1号の受入れ上限に伴う措置は、外食企業の外国人材採用に大きな影響を与える可能性があります。

特に、海外からの新規採用については、在留資格認定証明書交付申請の取り扱いによって、入国・就労開始までのスケジュールが大きく変わる可能性があります。

一方で、国内で既に特定技能1号・外食業分野として働いている外国人材の転職については、すべての申請が審査対象となっています。

そのため今後は、

「外国人材を採用する」から「採用可能なルートを見極め、適切なタイミングで採用する」

という考え方への転換が必要です。


■ 特定技能外国人材の採用についてご相談ください

当社では、外食企業様の人手不足解消に向け、特定技能外国人材の採用についてご相談を承っています。

「これから外国人材の採用を始めたい」という企業様だけでなく、

「現在、他社から特定技能外国人材を採用しているものの、採用人数や人材の質、定着、支援体制などに課題を感じている」

という企業様からのご相談にも対応しています。

今回のように特定技能制度の運用が変化している状況では、企業ごとに「どの採用ルートを利用できるのか」「いつ頃から採用活動を始めるべきなのか」を整理することが重要です。

外国人材の採用についてお悩みの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。


【まとめ】

今回の外食業分野における特定技能1号の取り扱いで、特に重要なのは以下の5点です。

① 在留資格認定証明書交付申請は、在留資格変更許可申請を優先して処理

② 現在は受付日が2026年1月5日までの申請を対象として順次交付

③ 技能実習・特定活動からの変更は、受付日2026年7月31日までの申請が対象

④ 特定技能1号・外食業分野から外食業分野内での転職は、すべての申請が対象

⑤ その他の在留資格からの変更は、受付日2026年4月12日までが対象で、4月13日以降は原則不許可

外食企業においては、今後の採用計画を立てる際に、**「どの在留資格の人材を、どのルートから採用するのか」**を事前に確認することが、これまで以上に重要となります。

※本記事は、出入国在留管理庁が公表している「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」等の情報をもとに作成しています。申請の可否や具体的な取り扱いは、個別の申請内容・受付日・在留状況等によって異なる場合があります。最新情報については、必ず出入国在留管理庁の公表情報をご確認ください。

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